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獲って売る漁業への展開

漁業というと、漁に出て魚を探しあて、獲って、港に揚げる。そこから先は漁業者の仕事ではない?

今では、魚を探すのも、カラー魚群探知機を使うなど先端技術の力は大きなものですし、探すことだけでなく、魚のアパートを造ったり、海底を耕したりと、魚を育成する努力もするようになっています。また、まだいなどの資源管理や、あじやいわしなどの数種の漁獲量報告を行うようにもなっています。

港に水揚げをするにも、魚槽で生きたまま運んできたり、氷詰めや漁場で獲った魚を船内で急速冷凍したりして、獲れたての鮮度を保ち、市場が始まる時間に合わせて水揚げするなどの工夫をこらしています。
そこから先の売ることなどについても、漁業者の海や魚についての知恵と経験を生かしたさまざまな事業が行われています。

売ることについては・・・

朝市、直販所の風景
生産者の顔が見える「地産地消」は水産分野でも進んでいます。
浜に揚がったばかりの新鮮な魚介類を漁業者から直接消費者へ、「直販事業」といわれるものですが、神奈川県内では常設の直販所が8ヶ所、朝市が16ヶ所、その他漁協直営などレストランが6か所あり、首都圏という地の利を生かした生産者の直販事業も盛んです。

獲れたばかりのあじをバケツ一杯買えたり、まぐろのほお肉やカマだけでなく、頭などの販売に取り組めるのも、生産地ならではの直販だから、といえるでしょう。
(また、最近ではJA(農協)の直販店や生活協同組合を通じて県産品が広く販売されています。)

食べることについては・・・

魚料理はまかせて、漁師のおかみさん
県内の漁港周辺には、地元の漁協や漁業者が地域で獲れた魚介類を料理したレストランがあります。
例えば、三崎漁港には、漁業者のおかみさんが開いた三崎漁師料理のレストラン、横浜の柴漁港では、江戸前の魚を使ったどんぶり料理、湘南地区では湘南シラスを使った料理などがあります。

遊ぶことについては・・・

日本で最初に開設された海水浴場を持つほどに神奈川の海では、海洋レクリエーションが盛んですが、それに応じた海の家の営業やセイルボードの預かりなどが行われています。

地元の漁業者は、海浜の利用秩序を守りながら、海に遊ぶ人の便宜を図っているのです。
ゆとりある生活を求める近ごろは、自然にふれあいながら余暇を過ごしたい人々が増えており、磯遊びやキャンプ場、マリーナの整備、サーフィンや水上スキーなどを行うスポーツゾーンの設定、さらには、漁業の実体験を提供するメニューまで登場し、「憩いの場」としての海を提供していくことも、海に携わってきた漁業者の得意とするところです。